先行研究

越沢明『満洲国の首都計画』(ちくま学芸文庫、2002年)

現在、中国の長春では満洲国時代の日本帝国遺産が観光資源となっている。 それでは満洲国時代にどのように植民都市長春/新京が形成されたのか。 満鉄付属地時代の長春、満洲国時代の新京の都市形成過程を追うのがこの本の趣旨である。 以下参考になった箇所…

【先行研究】「第八章 「帝国後」と満洲観光」(高媛『観光の政治学 : 戦前・戦後における日本人の「満洲」観光 』東京大学、2005、博士論文、233-280頁)

本章の趣旨 戦後における日本人の満洲観光を通して、「失われた帝国」の記憶の「刷り込み」が行われるプロセスを考察する。 参考になった箇所 戦後日本の満洲国ノスタルジー・ジャーニー 「〔……〕『満洲慕情』(1971年)は、「ふだん着のままで、満鉄の汽車に…

【先行研究】「第七章 もう一つの「代理ホスト」」(高媛『観光の政治学 : 戦前・戦後における日本人の「満洲」観光 』東京大学、2005、博士論文、213-232頁)

本章の趣旨 日本は帝国主義的侵略という暴力をとおして、欧米客を誘致するための「東亜観光ブロック」の実現をはかり、「東洋」における「代理ホスト」の役割を果たそうとした。 日本は、「西洋にとっての東洋」と「東洋にとっての西洋」の二つの顔を併せ持…

【先行研究】「第六章 「楽土」を走る観光バス」(高媛『観光の政治学 : 戦前・戦後における日本人の「満洲」観光 』東京大学、2005、博士論文、189-212頁)

本章の趣旨 観光による権力構造の再生産 内地客のまなざしの介入により、在満日本人は「代理ホスト」と化し、満洲を表現し、「翻訳」し、パフォーマティブに振る舞う。このような振る舞いのなかで、内地客/在満日本人/ネイティブの間の不均衡な権力関係が…

【先行研究】「第五章 「観光楽土」としての満洲国」(高媛『観光の政治学 : 戦前・戦後における日本人の「満洲」観光 』東京大学、2005、博士論文、159-188頁)

本章の趣旨 満州国時代の観光に関する、満洲国に向けるゲストの熱いまなざしや、満州国時代の代理ホストシステムについて考察している。 文化装置のコラボレーションが満洲への旅立ちを駆り立て、満洲という「野外劇場」への夢を膨らませたことを指摘してい…

【先行研究】「第四章 満洲観光の興隆」(高媛『観光の政治学 : 戦前・戦後における日本人の「満洲」観光 』東京大学、2005、博士論文、130-156頁)

満洲事変前までの満洲観光についての考察。割引切符による観光空間形成、満洲旅行ブームの様相、一般募集旅行団体の集客、修学旅行の実行システムが分析されている。 第一節 観光空間の形成 割引切符 1909年9月25日に、鉄道院から販売された「満韓巡遊券」を…

【先行研究】「第三章 満洲観光の担い手」(高媛『観光の政治学 : 戦前・戦後における日本人の「満洲」観光 』東京大学、2005、博士論文、98-129頁)

論文講読用のレジュメ 第三章要旨 (1)満鉄にある旅客課と鮮満案内所、満蒙文化協会、JTB大連支部の事業展開について。 在満観光機関と観光産業は1920年代に徐々に整う。満鉄と満蒙文化協会は宣伝誘致に力を入れ、JTB大連支部は斡旋案内と乗車券の販売の実務…

【先行研究】「第二章 満洲観光の誕生」(高媛『観光の政治学 : 戦前・戦後における日本人の「満洲」観光 』東京大学、2005、博士論文、42-97頁)

論文講読用のレジュメ 本章の趣旨 関東州の統治が軍政から民政に移行される前に行われた二つの観光旅行(「ろせった丸満韓巡遊」および満洲合同修学旅行)について分析している。 日露戦争後の満洲観光ブーム 1906年の満洲観光ブーム 著者は、当時の新聞を用い…

【先行研究】「第一章 満洲観光の前史」(高媛『観光の政治学 : 戦前・戦後における日本人の「満洲」観光 』東京大学、2005、博士論文、19-41頁)

論文講読用のレジュメ 第一章の趣旨 満洲観光の誕生を、日露戦争後の「ろせった丸満韓巡遊」と「満洲合同修学旅行」に位置付けた上で、満洲観光が誕生する前の満州への旅行はどのようなものであったかを明らかにしている。 江戸後期~日露戦争期における満洲…

【先行研究】「序章」(高媛『観光の政治学 : 戦前・戦後における日本人の「満洲」観光 』東京大学、2005、博士論文、1-15頁)

論文講読用のレジュメ 本論の趣旨 「観光の政治性」。「観光を取り巻く政治」と「観光の生み出す政治」を明らかにする。 第一節 本論の視座 「帝国圏」と「観光圏」 「〔……〕注目しておきたいのは、帝国の「帝国圏」と、帝国国民が旅先として視野に入れる「…

竹野学「植民地開拓と「北海道の経験」―植民学における「北大学派」―」(『北大百二十五年史』論文・資料編、2003年、163-201頁)

帝国主義的な植民地拡張政策をとると、被支配民族が覚醒しナショナリズムが昂揚して対立が激化する。これを解決するためには母国民の移住土着が必要である。また日本は土地問題を抱えており寄生地主制により狭隘な土地しか持たない零細農民は小作農とならざ…

米家泰作「近代日本における植民地旅行記の基礎的研究 : 鮮満旅行 記にみるツーリズム空間」(京都大學文學部研究紀要、2014、53、319-364頁)

この論文の主旨 「小稿は,こうした鮮満ツーリズムのなかで日本人が 残した旅行記に着目し,そのまとまった目録を示すとともに,旅行記の資料的意義を 検討した上で,旅行の目的や形態,訪問地など,ツーリズム空間の広がりに関して基 礎的な分析を行うもの…

長岡新吉「北大における満蒙研究」(『北大百年史』通説、1982、746-761頁)

満蒙研究において東大、京大の農学部とは異なる北大の独自性を指摘している。 一 1932(昭和7)1月 関東軍統治部主催「満蒙における法制及経済政策諮問会議」in奉天 4つの部会 (1)法制、(2)幣制・金融、(3)関税・税制・専売制、(4)産業 北大教授の参加 上記産…

川村湊『異郷の昭和文学-「満州」と近代日本-』(岩波新書、1990)

この本の趣旨 「満洲をめぐって日本の文学者たちが、何を感じ、何を考え、そうしてそれらのことをどんな風に表現したかということをたどろうとしたもの」 以下、参考になった箇所など 1990年時点では満洲文学に関する研究はほぼなかった(22-23頁) 「〔……〕尾…

大出尚子『「満洲国」博物館事業の研究』(汲古書院、2014)のメモ

参考になった箇所のメモ 先行研究の分析 満洲国の博物館に対する概括的な議論 山室信一「空間認識の視覚と空間の視座」山室信一編『岩波講座「帝国」日本の学知』8、岩波書店、2006年、序8-9頁 「満洲国」国立中央博物館を「独立国家の体制」が整えられるな…

満洲国における博物館に関する先行研究サーベイmemo

書籍で発行されている参考文献が二つで、(1)大出尚子『「満洲国」博物館事業の研究』(汲古書院, 2014.1)と(2)犬塚康博『藤山一雄の博物館芸術 : 満洲国国立中央博物館副館長の夢』(共同文化社, 2016.4)。 博物館副長官の藤山一雄は多くの論文タイトルに散見…