金色ラブリッチェ-GoldenTime-体験版の感想・レビュー

本編で尊厳死を丁寧に描き感動を生んだのにFDではフツーに生きてます。
どうやら本編においてダイジェスト形式で表現した「死ぬまでの時間」を描くようです。
しかしそうするともう一度「理亜の死への道」を見つめ直すことになるのか・・・ヘヴィ。
本編ではダイジェストだからこそ走馬灯のような演出で感動を呼ぶ効果だったのだが…。
そしてライターさん自身がFDを揶揄するメタテクストを挿入してくるという展開。
(よっぽどライターさんは続編を書きたくなかったんだなぁというのが伝わってくる)
(例え事実でもメーカーはこういうのをデバッグではじかなきゃだめでしょーに・・・)
体験版では年末年始の冬休みがメインで3学期始まる前までプレイできる。

本編グランドエンドで感動の死別が描かれたのに、FDではフツーに生き返っていて、もう一度死ぬまでの過程を読まされるのは、なんというか、こう、しんどいです。

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FDに対するライターさんの見解

  • 製品版の主題をFDが混ぜ返してしまうことが懸念されたが、ライターさん自身がFDを揶揄するメタテクストを体験版に挿入してしまう。
    • 金恋本編はメインヒロイン死にゲーでした。ゼロ年代泣きゲー時代に「感動させる記号」として安易にヒロインを死なせる展開が粗製濫造されたため、ヒロインを死なせる場合にはどのように死を表現するかにライターの腕が問われるようになりました。本編の場合は「人生を賭けられる時間」を「ゴールデンタイム」という思想で表現。主人公くんがヒロインの死に直面しても最後まで揺らがずに看取ってあげ、ヒロインはどんなに苦しくても死ぬ直前まで限りある生を生き抜くことで、両者が「カッコつける」ことを示すという感動のグランドエンドを演出しました。終局部はダイジェスト形式でしたが、これが逆に理亜の走馬灯及び主人公くんの回顧を表現することに成功していました。火葬場の煙突からたなびく煙が死の比喩表現となり、死生観を訴えていたのですね。
    • ところがどっこい!ファンディスクでは本編終局部で駆け足であった死ぬまでの過程をもう一度じっくりと描くみたいです。・・・うぅ、理亜が死ぬまでの過程をまた読まなくてはならぬのか・・・心がしんどい・・・。このことはライターさん自身が一番よく分かっているのか、FDを揶揄するメタテクストを挿入してきます。本編において主人公くんと理亜が毛布を被って映画鑑賞をして心を通わせるという描写がありました。FDの体験版ではこのイベントCGを用いながら続編のある映画を視聴しながら第二部を滅多切りにするのですね。このテキストを読むだけで、ライターさん続編を書きたくなかったんだなぁということがヒシヒシと伝わってきます・・・
      • 理亜「なんかこういうことされると1作目が微妙になる」→主人公「続編の宿命だよそれは」→理亜「そもそも続編、いるかこれ?1つ目で綺麗に完結してなかったか」→主人公「まあ……それはほら、制作側の都合とかあるんだよ。続編のほうが興収安定するし、1つめの宣伝にもなるし」



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  • 正ヒロインに昇格したミナと絢華のかわいさ推し
    • FDの体験版では冬休みの宿題を手伝うという形でミナと絢華が主人公くんと絡めるようにしています。せっかく正ヒロインに昇格したのですもの。販促のためのミナ&絢華推しが始まります。本編でもミナは姉の為に主人公くんを上流階級に相応しい人間に鍛えるという役目を担当しました。二人三脚でレッスンするのですから自然と二人で過ごす時間も増えて好感度はうなぎのぼりですとも。FDの設定ではせっかくミナが鍛えてくれたのに、主人公くんは2学期の成績でD評価をとってしまうという展開です。そのためミナの愛の鞭が発動し、冬休みの宿題を即座に終わらせることが目標となります。付きっ切りの特訓が始まるのですが、この冬休み宿題劇場に絢華も参戦するのです。当初嫌味なキャラとして描かれてきた絢華がデレ化するところをご堪能ください。大掃除の際、高い所を掃除しようとして椅子から転げた絢華を主人公くんが庇って怪我をしてしまいます。何だかんだで真面目で責任感の強い絢華は怪我のお詫びを申し出ます。こうしてもう一人の家庭教師として絢華が任命されたのです。カテキョ生活を続けるうち、かつて幼馴染であった過去が想起されていくこともあり、徐々に絢華がデレてくるところがグッときますね。ミナと絢華でどのようなシナリオが紡がれるのかについては期待が持たれます。



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  • むしろ主人公くんの野球問題がシナリオの題材となるかと思うのですが・・・
    • 主人公くんは挫折系属性を付与されています。野球に青春を賭けていたのですが、イモウトの為に取った行動が高校生活に終止符を打ってしまうのです。イモウトが吹奏楽部であったため、野球部の応援に吹奏楽部が動員されてコンクールにでられなくなってしまうことについて、疑義を呈するのです。このことがきっかけとなり部内は混乱に陥り、主人公くんは敗北の責任を押し付けられて退部に追い込まれた挙句、高校まで辞めることとなってしまうのです。製品版では、この挫折をどのように処理するのかに注目が集まっていました。違う生き甲斐を見つけるのか、ありのままの自分を受け容れるのか、朽ち果ててしまうのか、再び野球に取り組むのか・・・きっとヒロインごとに解決方法が分かれるんだろーなー『こんぼく』みたいに。と、思っていたのですが、どのルートでも主人公の野球問題はスゲー雑にアッサリと片付けられてしまうのです・・・グランドエンドのメインテーマも「部活の挫折」ではなく「死生観」でしたしね。そのため部活動挫折問題については、きちんと描かれていないので、FDで描くとしたらそこなんだろーなと個人的には考えております。欲を言うならば、FDは理亜が死んだ後の延長として、主人公くんが野球問題とどう関わっていくかをヒロインと絡めながら描いて欲しかったかもしれません。

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